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【雨降って地固まる】中舎康平:自主制作アニメ「想い雲」感想と視聴のススメ

「もやもや」「どんより」といった言葉は、雲の様子も人の心も表すことができます。

「雨降って地固まる」 という諺(ことわざ)は、天気で人間関係を表しています。

実写でもアニメーションでも、映像作品では天気と登場人物の心理状態がリンクした(というより意図的に制作者によってリンクが施された)シーンはかなり多いです。

 

今回紹介したい作品は『想い雲』

「雨降って地固まる」的なストーリーの、

クオリティの高い自主制作アニメーションです。

www.youtube.com

作品概要とあらすじ

●タイトル:『想い雲』 "a reflection of one's mind"

●作品の時間:5分49秒。

●あらすじ:

ふとしたことでカッとなり喧嘩してしまった女の子ふたりが、冷静になったあとも一晩葛藤しつつ、最後は心を開いて仲直りするお話。

●制作者:中舎康平

中舎さんのツイッターでは綺麗でほっこりするイラストやマンガの原稿が見られます。

中舎康平さんのツイッターはこちら
twitter.com

www.pixiv.net

●音楽:日向萌 

BGMはドビュッシーの「月の光」です。

タイトルを味わおう!-贅沢な「雲」描写-

「雲」のはたらき

『想い雲』というタイトルについて、我々視聴者は思考を巡らせることができます。

題名に「雲」と入っているからには、「雲」に注目しないわけにはいきません。

英語の題名:"a reflection of one's mind"からわかるように、この作品での「雲」は、

登場人物であるふたりの女の子たちの内なる想いを映し出すものです

この作品は、考え耽(ふけ)って空を見上げるショートヘアの女の子の冒頭シーンからはじまります。

真剣で、寂しそうで、ちょっと悩んでいる表情です。

女の子の片側のほっぺたが赤く腫れています。

...何を考えて / 悩んでいるのだろう?...

その女の子の心中を、視聴者は雲の様子から窺(うかが)い知れるのです。

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1:24秒付近。きっと物思いに耽っている原因はコレ。

この雲のシーンの前に、実際何が起こったのかはハッキリ描かれます。

傷つけるつもりはなかったのに、平手打ちされた仕返しが思いのほか洒落にならないものとなってしまって、眼鏡の子に血を流させてしまいました。

その出来事を踏まえて、「雲」は地に足つかないふわふわとした不安定な心情を同時に表現しているのではないでしょうか。

 

その晩、ふたりは寝る前にそれぞれの家から、同じ月空を見上げます。

BGMがドビュッシーの「月の光」であるセレクトも、かなり作品に配慮していることがここでわかりますね。

それだけこの作品は考えられ、制作者の愛が込められているのです!

(違かったら恥ずかしいなぁ~)

 

翌日、仲直りしようと話しかけるも、眼鏡の子は無視してしまいます。

素直になれないふたり。

瞬間的な感情でイライラしてしまいますが、冷静になると悲しくて泣いてしまいます。 

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黒い雨雲。

 ここは「涙が溢れて泣く」という実際の行動と黒い雨雲の示唆からわかる通り、感情と行動が一貫しています。

つまり、泣いたのは素直な感情に基づく行動だったということです。

ここからはアニメだからこそ可能な表現が用いられ、仲直りするまでは圧巻です。

現実世界ではこんな雲は無いですし、見られません。

でも、眼鏡の子はこの泣いている雲を見て、ショートヘアの女の子のもとへ走ります。

眼鏡の子の雲が、泣いているショートヘアの子の雲をかき分けて近づきます。

雲なのか本人たちなのか曖昧になるほど、感情と行動がまったく乖離せず一致しているのがわかります。

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行動と感情(雲)が一致している素直さがわかるシーン。

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最後は「雨降って地固まる」。

もし「想い雲」がなかったら...

この作品での「雲」は、登場人物であるふたりの女の子たちの内なる想いを映し出すものだと私は書きました。

この作品における「雲」は、視聴者に優越感というか、心地よさを与えてくれる働きがあります。

この「雲」の描写がなくなったら、出来事を時系列順に描いただけのアニメーションになってしまい、視聴者からの同情、感情の動きは起こりにくいでしょう。

視聴者の感情が動かないと、「こーゆーストーリーのマンガあるよね~」みたいな、第三者を気取った批評家視点で見られてしまいます。

視聴者の経験や感情を刺激することで、「あぁ、私も似たような経験したなぁ」という登場人物の立場に即した当事者視点で作品をぞんぶんに楽しんでもらえます。

制作者も視聴者もハッピーになるかというらこそ大事な役割ですね。

 

事実描写だけすれば楽ですが、作品にはならないでしょう?

この自主制作アニメを色んな人が「素晴らしい!」と言う作品たらしめているのは、間違いなくタイトルにある「想い雲」という心情描写媒体です!

 

絵が暖かいのも魅力の一つだね!

作品の魅力でもありますが、これは中舎さんの絵の魅力の話ですね。

アニメ冒頭の風景シーンでも「おーきれいだなー」とおもいましたが、

私が感じるに中舎さんは人物描写に暖かさがあります!

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表情が豊かですよね。

笑う絵は白い歯を見せてニッカリと笑うし、

驚く表情は目ん玉真ん丸にして驚くし、

見ていて気持ちいい絵が多いです。

(中舎さんのアイコンの絵からしてほっこりした気持ちになるもん)

僭越ながら中舎さんの絵をTwitterから2枚ほど抜粋させていただきます。

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ね?魅力しかないでしょ!?

さいごに

ずーっとこの作品の感想を書きたいと思っていたんですけど、私の仕事が忙しくてなかなか書けませんでした。

そもそもアニメも見ている余裕がなかったです。

でも振り返ると、余裕がないとつまらない人間になるんですね笑

ここ最近の私を顧みるとまさにそう思います。

私にとってアニメ鑑賞はガソリンの一つですから、補給せねばなりません。

つまらない人間に仕事ができるわけない!

魅力的なものを魅力的だよとこのブログで言えないのはストレスだ!

ということで、無理矢理時間をひねり出して、私の心が感じたことを書いてみました。

 

私が魅力を感じた作品や制作者さんにこの声が届いて、

その方や作品が発展して、

私好みの作品が増えて、

数少ないこのブログを読んだ方が趣味の合う新たな作品に出会って、

みんなが幸せになれますように。

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