最近みつけたインディーアニメ(自主製作アニメ)の紹介。
このアニメの展開を要約すると
・パンを咥えて女子高生が「遅刻遅刻ぅ~」
・曲がり角でぶつかってボーイ・ミーツ・ガール展開
というお約束にならないので、お約束展開にもっていこうとする少年の話。
主人公に共感しやすい
NARUTOのロック・リー似の主人公「拓郎」に感情移入がしやすい。
拓郎は冴えない男子高校生。
ザ・平凡で突出したモノがいままでなかったであろうことが推測できてしまう。
お遊戯会では木の役。部活でも万年補欠。
大多数のわたしたちは世の中の平均的立ち位置で、普通で、凡庸で、そんな平均的で目立たない存在の「拓郎」が、冴えない自分を変えようと、納得いくまで頑張ってみようといろいろ努力する。
私たち視聴者が拓郎の視点・拓郎の気持ちに立ちやすい。
し、拓郎の視点に一緒に立つことで視聴者も自分を変えようとする前向きさが得られる。
アニメの導入部分も
- パンを咥えて女子高生が「遅刻遅刻ぅ~」
- 曲がり角でぶつかってボーイ・ミーツ・ガール展開
という「お決まり」を連想しちゃう。
お決まり展開か?→ならんのかい!→お決まりを目指せ!
という流れ。
- 何でそんなくだらないことに真剣に努力するの?www
- 女子高生メッチャ避けるやんwww
というのも面白さや共感を演出しているのかな。
真面目な場面でテキトーに、逆にどーでもいい場面で真剣に振る舞ったり、
日常の中で非日常的な出来事が、逆に非日常の中で日常的な場面があったり。
笑いをこらえなきゃいけない葬式や説教の場面で、余計に面白くて吹き出しそうになる。
ギャップや緩急があると笑いにつながりやすいよね(適当)
くだらないことに全力をかけるのが青春
大人になって子ども時代を振り返ると、なんでこんなことで悩んでいたんだろうということで悩んでいた。
でもそのちっちゃい悩みが、のちのち良い思い出になる。
一見くだらないことに全力をかける青春もいいじゃん。
いや、くだらないことに全力をかけるのが青春じゃないか!
何もしなければ、拓郎は良い思い出があまり無いまま卒業してしまっていたかもしれない。
でも「曲がり角で女の子にぶつかる努力」をしたおかげで最後の卒業間際で(多少)努力は実り、努力を費やした日々が拓郎だけの思い出にきっとなるんじゃなかろうか。
振り返ったときに笑える思い出を持っていたいね。
第二ボタンが消えている!?
これはなにかの暗示か?
そんな大袈裟なモノではないだろうし、最後のバトル(?)で外れたのだろう。
ただ、制作者が第二ボタンの外れた拓郎のシーンでラストを締めるのには、なにかしらの意図を感じざるを得ない。
第二ボタンと食パンが十字路に隣り合って落ちている!
作品の概要やあらすじ・制作者など
「ROMANCE OF THE TURN」
京都芸術大学(当時:京都造形芸術大学)の卒業制作のようです。
第11回TOHOシネマズ学生映画祭ショートアニメーション部門準グランプリ受賞作品
これは、ロマンを追う一人の男の物語。
冴えない高校生の横切拓郎が遭遇したのは、毎朝同じ時間、同じ曲がり角に現れてはヒラリとかわしていく“少女”。彼女と出会うため、拓郎はぶつかる特訓を始める......
企画・制作/野村ゼミ
声の出演/横切拓郎:高坊佳樹 峰田:舩戸元 友人A:泉貴文 担任教師:重信大介 拓郎の母:白神はる香 曲がり角の少女:松林美佑
作画・背景・CG・仕上げ・撮影・音響/木村拓
音楽/葉上誠次郎
音響監督/池尻百芳
監修/野村誠司
脚本・監督/木村拓
参考リンク
食パンくわえた美少女追いかけて?TOHOシネマズ学生映画祭に行ってきた - U-NOTE[ユーノート] - 仕事を楽しく、毎日をかっこ良く。 -
↑こちらに木村拓さんご本人の写真が載っております。
TOHOシネマズ学生映画祭でグランプリを受賞しました! | ニュース | キャラクターデザイン学科 | KUA BLOG