未完結ブログ

稀に更新するアニメと英語の趣味ブログ。

クオリティの割に再生回数が少ない気がする自主制作アニメを見つけたよ:吉武薫『不溶の銀』

インディーアニメを漁(あさ)っていたらクオリティの高い作品に出会いました!

クオリティの割に再生回数が少ない気がします。

インディーズで高クオリティ

動画時間10分超で見応えありつつ、モーション・背景・BGMにも感嘆させられます。

メジャーではなく同人の自主制作3DCGアニメというから驚きです。

  • モーション:あからさまな変な挙動などは一切ありません。小さいところも拘(こだわ)っていると思います。細かい一例を挙げると、雨の雨粒が地面や岩に落ちた際の"跳ね返り"がよく見るとちゃんとあります。

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静止画だと伝わらないので雨粒の跳ね返りは映像を是非見てみてください。
  • 背景:どこで静止しても一枚絵になるクオリティ。以下本編から映えそうな3箇所を抜粋してみました。この雰囲気が好きな人おるんやないかい? 作品制作者の「薫。」さんが総監督を務めるROLL Projectのサイトによると、背景制作にかかる費用を約1/4に抑えつつクオリティを安定させた工夫についても言及されています。

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本編2:04付近

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本編4:35付近

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本編10:03付近
  • BGM:緊迫感漂う音楽・焦燥感を駆り立てる音楽・冬の透明感漂う音楽etc...この作品の雰囲気作りに一役買っているのは間違いないでしょう。調べてみるとサウンドトラックが1,500円で販売されていましたよ。10分の作品のサントラが売られているとは思わなかった...

アニメ「不溶の銀」オリジナルサウンドトラック - にとぱんBOOTH - BOOTH

メジャーでは出来ないようなやりたいことを、本気で目指してやっているのだなと感じました。

ストーリーと描写

あらすじ

主人公は新米ハンターのアイリーン・ウォルシュ。冬山で狩りをしている際に1匹の子どものオオカミと出会います。どうやらアイリーンの母親は亡くなっており、猟銃を携えた母親の写真の横にはオオカミも写っています。新たな1人と1匹のペアが爪痕の正体と闘い、春に成長するまでのお話です。

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写真立て:アイリーンの母親?とオオカミ

描写の感想

私としては10分があっという間でした。むしろ「アイリーンと仔オオカミが狩りの鍛錬をして成長していく姿」「熊との戦闘でリベンジが成功するまで」「熊とのバトルシーン」の描写がもっと欲しいです。ダイジェストのようにシーンが展開されていたので、熊を倒すまでの成長過程を視聴者と共有させてくれたら、もっと感情移入ができそうだなと思いました。それでも、本編の繊細な脚本の続きが気になるように描写されていましたし(写真立てなんかはまさにその一例)、バトルシーンはアングルも音楽もシチュも良く、視覚でも聴覚でも盛り上がりました!

また大筋からは逸れますが、吹雪いている冬と花が咲く春でアイリーンの服装が同じである点や、仔オオカミに缶詰をあげる際に缶を開ける動作の描写が省かれている点などに若干違和感を抱いてしまいました。きっと背景やBGMへのクオリティと拘りが感じられるからこそ、そこは妥協せずやってくれるといいな、というこの作品を視聴した一視聴者の勝手な所感です。

例えば、私はまったく銃には疎いのですが、メジャーのアニメやマンガでも銃はけっこう指摘される例の一つですよね。「持ち方ちがうよ」と言われても私には門外漢なのでさっぱりですが。

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だからこそ「これでもか」というほど細部に至る拘(こだわ)りが伝わる作品は、その情熱が人の心を動かすのだと思います。

だから作品を作るのは大変です。どんな人が見ているかわかりませんから。

創作をしている人はみんな尊敬します。

作品の概要やあらすじ・制作者情報など

吉武薫『不溶の銀』

地を這う寒風は、悠く彼方から巡り、運命を変えるー。

新米ハンターのアイリーンは、狩りの最中に仔狼と出会う・・・。

学生を中心に約4ヶ月で制作した3DCG自主制作アニメーションです。

制作者のTwitterはこちら。頻繁に呟いています。

受賞歴

  • ASIA GRAPH 2019 in Tokyo 動画(アニメーション)作品公募部門 - 優秀作品
  • 三鷹の森アニメフェスタ2018 第16回インディーズアニメフェスタ - 市民審査賞
  • 学校法人日本教育財団 HAL東京 未来創造展 2018 - 銀賞
  • KDCC 北九州デジタルクリエーターコンテスト2018 - 入選
  • 第12回 TOHOシネマズ学生映画祭 - 入選

参考リンク

・前述した、吉武薫さん(名義:薫。)の自主制作プロジェクト『ROLL Project』のサイトです。

roll-project.com

ニコニコ動画にも投稿されています。

・銃の描写についての画像や、その他面白かったので

筑波嶺夜想曲 華麗なる少女マンガの世界(その1):大きかったり小さかったり

 

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サムネイル:本編7:15付近

 

一見くだらないことに全力をかける青春もいいじゃん。(インディーアニメ紹介)

このアニメの展開を要約すると

・パンを咥えて女子高生が「遅刻遅刻ぅ~」

・曲がり角でぶつかってボーイ・ミーツ・ガール展開

というお約束にならないので、お約束展開にもっていこうとする少年の話。

www.youtube.com

主人公に共感しやすい

NARUTOロック・リー似の主人公「拓郎」に感情移入がしやすい。

拓郎は冴えない男子高校生。

ザ・平凡で突出したモノがいままでなかったであろうことが推測できてしまう。

お遊戯会では木の役。部活でも万年補欠。

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大多数のわたしたちは世の中の平均的立ち位置で、普通で、凡庸で、そんな平均的で目立たない存在の「拓郎」が、冴えない自分を変えようと、納得いくまで頑張ってみようといろいろ努力する。

私たち視聴者が拓郎の視点・拓郎の気持ちに立ちやすい。

し、拓郎の視点に一緒に立つことで視聴者も自分を変えようとする前向きさが得られる。

 

アニメの導入部分も

  • パンを咥えて女子高生が「遅刻遅刻ぅ~」
  • 曲がり角でぶつかってボーイ・ミーツ・ガール展開

という「お決まり」を連想しちゃう。

お決まり展開か?→ならんのかい!→お決まりを目指せ!

という流れ。

  • 何でそんなくだらないことに真剣に努力するの?www
  • 女子高生メッチャ避けるやんwww

というのも面白さや共感を演出しているのかな。

真面目な場面でテキトーに、逆にどーでもいい場面で真剣に振る舞ったり、

日常の中で非日常的な出来事が、逆に非日常の中で日常的な場面があったり。

笑いをこらえなきゃいけない葬式や説教の場面で、余計に面白くて吹き出しそうになる。

ギャップや緩急があると笑いにつながりやすいよね(適当)

くだらないことに全力をかけるのが青春

大人になって子ども時代を振り返ると、なんでこんなことで悩んでいたんだろうということで悩んでいた。

でもそのちっちゃい悩みが、のちのち良い思い出になる。

一見くだらないことに全力をかける青春もいいじゃん。

いや、くだらないことに全力をかけるのが青春じゃないか!

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靴がこんなになるまで努力したのか...

何もしなければ、拓郎は良い思い出があまり無いまま卒業してしまっていたかもしれない。

でも「曲がり角で女の子にぶつかる努力」をしたおかげで最後の卒業間際で(多少)努力は実り、努力を費やした日々が拓郎だけの思い出にきっとなるんじゃなかろうか。

振り返ったときに笑える思い出を持っていたいね。

第二ボタンが消えている!?

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何か吹っ切れて納得した顔

これはなにかの暗示か?

そんな大袈裟なモノではないだろうし、最後のバトル(?)で外れたのだろう。

ただ、制作者が第二ボタンの外れた拓郎のシーンでラストを締めるのには、なにかしらの意図を感じざるを得ない。

第二ボタンと食パンが十字路に隣り合って落ちている!

作品の概要やあらすじ・制作者など

「ROMANCE OF THE TURN」

京都芸術大学(当時:京都造形芸術大学)の卒業制作のようです。

第11回TOHOシネマズ学生映画祭ショートアニメーション部門準グランプリ受賞作品

これは、ロマンを追う一人の男の物語。

冴えない高校生の横切拓郎が遭遇したのは、毎朝同じ時間、同じ曲がり角に現れてはヒラリとかわしていく“少女”。彼女と出会うため、拓郎はぶつかる特訓を始める......

企画・制作/野村ゼミ

声の出演/横切拓郎:高坊佳樹 峰田:舩戸元 友人A:泉貴文 担任教師:重信大介 拓郎の母:白神はる香 曲がり角の少女:松林美佑

作画・背景・CG・仕上げ・撮影・音響/木村拓

音楽/葉上誠次郎

音響監督/池尻百芳

スペシャルサンクス/田口雅敏 植田真樹 太木裕子

監修/野村誠

脚本・監督/木村拓

twitter.com

参考リンク

食パンくわえた美少女追いかけて?TOHOシネマズ学生映画祭に行ってきた - U-NOTE[ユーノート] - 仕事を楽しく、毎日をかっこ良く。 -

↑こちらに木村拓さんご本人の写真が載っております。

TOHOシネマズ学生映画祭でグランプリを受賞しました! | ニュース | キャラクターデザイン学科 | KUA BLOG

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