- what with A and ( what with ) B「AやらBやらで」
- 【名詞の副詞的対格とは?】
- 【この構文の成り立ち】
- 【what with...のwhatの用法を納得するための一考察】
- 【ブログメモ】
what with A and ( what with ) B「AやらBやらで」
what with A and B
もしくは
what with A and what with B
で、「AやらBやらで」
という意味になります。
高校生の人は、おそらく英語の授業で「関係詞」の単元のうち、
「関係代名詞what」の項目で覚えておくべき慣用表現の一つとして
唐突に出会うものだと思います。
よく、口語表現的なものですよ~という注釈がつくことが多いです。
まあ、「とりあえず暗記しておこう」というスタンスの高校生が多いと思いますが、
- なぜwhat withってカタチをしているの?
- なぜ「AやらBやらで」って意味になるの?
と気になる人もいると思うので、私なりに書いておきます。
よく文法書で調べたり、ネットの色んなサイトページを見たりすると、
『このwhatは名詞の副詞的対格として用いられ、ここではpartlyとほぼ同義で用いられている。』
みたいな説明がされることが多い印象です。
もし私が初見の高校生だったら
「はぁ???」
【名詞の副詞的対格とは?】
例えば、「yesterday」という単語の品詞を考えたことはありますか?
「yesterday」って何詞でしょうか。
『昨日』という意味の「名詞」ですが、
文中で用いられると時を表す「副詞」としての用法もあります。
1. Yesterday was Friday.
→yesterday=名詞
2. I went to school yesterday.
→Yesterday=副詞
2.の文のように、名詞を副詞として用いるこの用法を「名詞の副詞的対格」といいます。
【この構文の成り立ち】
what with…のwhatは、本来somethingやsomewhat(幾分)が原義でしたが、
歴史を経てpartly(幾分、一部)として解釈されるようになりました*1。
what with…は最初what for…でした。
withもforも理由や原因を表していて、
what with(for) A and what with(for) Bという形で使用され、
「部分的にはA,そしてまた別の部分的にはBという理由で」の意味でした。
この意味が変化し、forもwithにとって代わられ、
「Aという理由があるうえに,またBという理由もあって」となり、
最終的に「AやらBやらで」に解釈されるようになりました。
現代では、2個目のwhat withは省略するのが普通だそう。
【what with...のwhatの用法を納得するための一考察】
高校英語では、whatは関係代名詞の項目で紹介されることが多く、
- what with A and what with B のカタマリは名詞としてS,O,Cにならないじゃないか...
- 文法の例外として無理矢理暗記するしかないのかな...
としてごまかす人もいたのでは?(私です)
私が文法の範疇で納得するための思考フローは
- whatは関係代名詞*2なので名詞の働き
- 名詞は使われ方によって副詞にもなる(名詞の副詞的対格)
- what with...のwhatはsomewhat(幾分)のwhatなのでpartly(幾分)の意味になる
この赤字部分は私の納得の仕方です。
あまり他に見ないので、私の一考察とさせていただきます。
『このwhatは名詞の副詞的対格として用いられ、ここではpartlyとほぼ同義で用いられている。』
という類の説明で、唐突にpartlyが出てくるのはこれが理由ではないのかなと思っております。
somewhatのwhatと考えると、副詞っぽく作用する理由に納得がいきました。
【ブログメモ】
名詞の副詞的対格。
— mikanketsu(未完結) (@mikanketsu) 2020年4月18日
yesterdayは「昨日」って意味の名詞だけど
I went to school yesterday.の文中だとyesterdayは副詞だよね。
って新高校1年生に納得させるの地味に苦労ポイント。
前置詞句の用法も一気に出さずに小出しにするが、
どのタイミングで生徒に全解禁するか毎年考える。
品詞は大事。
「somewhatのwhatだよ。」と言われれば
— mikanketsu(未完結) (@mikanketsu) 2020年5月17日
全ての辻褄がピッタリ合う気がするのだけど、どうなんだろう!
自分の中ではスッキリした!