「大きなお友達」も女児向けアニメを観る理由を知った。
ニコニコ動画で1話から巡回していると、第8話だけ伸びていているのに気付く。
他のエピソードよりも圧倒的な再生数とコメント数。
タグには「神回」「プリキュア三大失言」など気になるものが並び、視聴前の私の期待が膨らんだ。
そしてその期待は裏切られず、このエピソードで「ふたりはプリキュア」が好きになった。
「あなたなんてプリキュアってだけで、友達でも何でもないんだから!」
良かれと思ってしたことが…
ほのかと藤P先輩は幼馴染みという関係性。
その藤P先輩に対し、なぎさは好意を抱いている。
ほのかは、二人が話すきっかけを作ろうとお互いを紹介するが、余計な一言をついこぼしてしまう。
ほ「でもよかったわ、美墨さんに藤村君を紹介できて。」
な「え?」
ほ「だって、前から話したいと思ってたんでしょ?」
これを本人たちの前で言ってしまった。
ほのかにとっては悪気のない言葉かもしれないが、なぎさにとってはイラッとくるだろうし、辛いし、恥ずかしいだろう。
この年代では友人間の多少の無神経な発言はしてしまうものだから、アニメの視聴者層を考えたら「仲直りの仕方」を伝えるという意味でもこのエピソードは良いと思う。
そして、そんなほのかに、このセリフを言ってしまう。
な「あなたなんてプリキュアってだけで、友達でも何でもないんだから!」
そして暫くぎこちない関係になるのだが、それぞれの違いを互いに認識し、気持ちを真正面からぶつけ、互いの本音を知り、仲直りする。
ニコニコ動画で観たから良さがわかった
所詮わたしはプリキュア歴3日時点での良さしかまだわからない。
しかし、ニコ動のコメントには私以外の人の感想や着眼点、詳しい視聴者の解説まであり、作り手の意図をもっと汲み取ろうとするインセンティブがはたらいて、2週目以降の深い視聴を抵抗なく視聴者サイドに促してくれるのだ。
ニコ動でアニメにコメント付けて盛り上がれるのは、本当にサイトの良いところだと私は思っているのだけれどね…
注目したコメント
いくつか抜粋。
- 「販促」→カードや手帳が出るたびに流れるコメ。東映だからね。大人ならやっぱり察するよなぁ。互いの手帳を取り違ってお互いを知るシーン、子どもならあの手帳ほしがるもん。
- 「影の差し方と感情がリンクしてるのな」(他、光と影の演出についての言及)→悩んでいる人物やそのシーンは暗くなる。特徴的な場面だけかと思ったら、8話全体を通じていた。こういう所まで作り込んでいるところにプロの矜恃を感じるし、長年愛されている理由もわかる。
- 手帳の内容への言及コメ→たとえば、なぎさの「草のにおいが好き」という手帳の内容。仲直りでほのかがなぎさに出会うのは、なぎさの好きな「晴れた日の草のにおいのあるところ」。これ気付いて指摘していた人がいたが、私は1週目では気付かなかったので感謝。
- 「※このセリフを第20話まで覚えておきましょう」→伏線あるよというコメ。20話まで頑張らねば…
印象的なシーン
動画サムネにもあるように、喧嘩のきっかけシーンかな。
30分アニメで、喧嘩のきっかけと仲直りのきっかけをまとめて一つに描ききるのは本当に凄い。あっぱれ。
そして最後に、さん付けから呼び捨てに変わるシーン。
ほのかがちょっと様子を窺いながら、緊張した震え声で、呼び捨てで呼んでみるところは良い。
良い。ホント良い。
ここで私はプリキュアが完全に好きになり、興味をもちましたとさ。
めでたし、めでたし。
まとめ
子ども向けアニメだからといって侮ってはいけない。
いや、むしろ子ども向けアニメだからこそ、このような真正面からの妥協のない8話になったのだと思う。
単なるクラスメイトという関係から、プリキュアであり友達になるには、この8話は必要なエピソードである。
侮りがたし、プリキュア。