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天気雨「きつねの嫁入り」にラブコメの波動を感じるインディーアニメ

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ブコメの波動を感じます

いろいろ賛否を言われている「ニコニコ動画」ですが、ニコニコ動画の特徴のひとつに「タグ機能」があります。

タグによってニコニコの動画・生放送・静画などがカテゴリごとに分類されることで、視聴者はお目当てを探す手間が省けたり、視聴者に新しい出会いをもたらしてくれたりしますね。

ときどきタグは荒らされることもあるけれど、大喜利が成立している秀逸なタグも存在しています。

その中でも「ラブコメの波動を感じる*1タグや「2828動画」タグは、文字通りラブコメを彷彿とさせるボーイ・ミーッ・ガール展開でおもわずニヤニヤしてしまうシーンを集めた動画に付くことが多いのです。長いので「ラ波感」と省略されることもあります。

 

私のマイブームはこの「ラ波感」タグのついた動画を巡回することです。

端から見たら取り戻せない青春を取り戻そうと必死そうですね。私のことは笑ってください。

でも、他人の恋愛事情を観察するのって楽しいじゃないですかぁ~

そんな歪んだワクテカした気持ちは「ラ波感」タグ動画によって満たされるのさ。

今回紹介する自主制作アニメは黒木彩歌さんの「きつねの嫁入り」です。

制作者・紹介動画の詳細など

・制作者:黒木彩歌

・黒木さんのYouTubeチャンネル:こちらから飛べます。

・作品概要

卒業制作作品『きつねの嫁入り』

きつねの女の子、天子(あまこ)は生まれた日も、遠足や遊園地に行く日も、運動会も学芸会も誕生日にも雨が降る、典型的な雨女だった。小学校に入って初めての運動会を控えたある日、幼馴染の風徒(ふうと)に雨女であることをからかわれてしまう。天子は運動会を休み、その日は晴れになったが、風徒は自分の言った言葉を気にして家にこもっている天子を外へ連れ出す。 これは雨女の天子が嫁入りをするまでを描いた物語。

卒業制作のようですね。

この黒木彩歌さんという方を調べてみて、アニメーションに関する記事が何件かヒットしました。

同一人物ですかね。

 

・『すのはら荘の管理人さん』#7「お化け 宿題 マッサージ」*2

・『つうかあ』各話 撮影協力 SILVER LINK.スタッフとして*3

・『I字型とU字型』MVのアニメーション

 声優の素人感は自主制作アニメ独特の味

登場するきつねたちはみんな可愛い。

キャラクターに愛嬌があるという意味でも可愛いし、単純に絵が上手いから可愛い。

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そして以外と、(というと偉そうな言い草で申し訳ないのですが、)

音楽もいいんですよ!是非観てみてください。

 

声に関しては、YouTubeのコメント欄でも言われていましたが、やはりセリフは素人らしい棒読みでした。

棒読み過ぎて作品の内容が頭に入って来ないというと問題ですが、「きつねの嫁入り」はそんなに気になりませんでした。

むしろ絵や音楽が良い分、自主制作アニメの醍醐味として機能しているようにさえ思いました。

別に商業目的で制作しているわけでなく、自主制作なのだから、声優の素人感は自主制作アニメーションが持つ特有の個性だとして観るとよいのかな~

最後にちょっとした見所のメモ

アニメーションは10分強なので、すぐ見られるのですが、

ここイイネ!(・ω・)b というシーンを載せておきます。

二匹だけの放課後の運動会

4:01~6:06  

『匹』を『人』にして「二人だけの放課後の運動会」って書くと、イヤらしく聞こえませんか。

何も起きないはずないよな!?って勝手に期待しちゃいませんか。

これがラブコメの波動です(適当)

玉入れの机の周りを嬉しそうに回る天子(てんこ)と風徒(ふうと)の二匹が微笑ましい。

風徒が目を開くシーン

お前目開けんのかい。

数カ所しかないので、ギャップ萌え狙いか。

相合傘

ぶっちゃけ、ラストの白無垢で微笑む天子ちゃんよりも、甘酸っぱいボーイ・ミーツ・ガールを感じられる相合傘のシーンがお気に入りです。

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夏のノスタルジックな自主制作アニメを紹介するよ【発掘シリーズ】

心がギュッとされるようなノスタルジック味を感じるアニメーションを観たくないですか?

特に現実世界で疲れている人にオススメしたいので、ノスタルジックなアニメや画像の魅力を知ってもらえれば嬉しいです!

 

タイトルは「セトウチ夏便り」

www.youtube.com

ニコニコ版はこちらに貼っておきます。

作風:夏のノスタルジック

制作者である犬丸さんは自身のプロフィールに、

「イラストはノスタルジック系が好き」

と明記されているので、きっと作者自身が好きな作品なんだろうなと思いながら鑑賞しました。

作者が好きでないとこちらも好きになれないからね!

ノスタルジックとは、古いモノを懐かしむ気持ちや様子です。

日本語では少し難しく「郷愁」って言いますね。

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本編1:33付近

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本編0:34付近

ピンと来ない人は、のような絵を見たときに

「おばあちゃん家みたいで懐かしいし爽快感と情緒がある!」

みたいに感じる、その気持ちがノスタルジックです!

一番のポイントは視聴後の“カタルシス

YouTubeでもニコニコでも共通していたこの作品の感想は、

 

  • 新海誠監督みたいな雰囲気
  • 透き通っている
  • 情緒的で綺麗

 

 というものでした。

自分も同感です。

「透き通っている」「情緒的」「背景や情景が繊細で綺麗」という言葉を、有名な人の名前で例えたら「新海誠」という名前が出てくるんだと思います。

 

さて、ノスタルジック系の絵や画像や動画の個人的な良いポイントは、

カタルシス(浄化作用)

だと思っています。

「透き通っている」「情緒的」といった感想の言葉がそれを示しています。

カタルシスとは、「浄化」だとか「純化」とも言いますね。

誤解を恐れず言うと、日頃積み重なったネガティブなものを、ポジティブなものにしてスッキリさせるイメージですかね。

 

例えば仕事帰りや学校帰りの場面を想像してくださいよ。

人によっては充実した、またある人によっては慌ただしい現実の一日が終わって、その日の一日分の疲労がこみ上げてくることはありませんか?

ノスタルジック系の作品は、鑑賞することでその世界観へ感情移入して現実逃避が可能となるのです。

作品中で展開される世界観へ没入することによって、日常生活の中に鬱積していた感情が解放される感覚はマジで病みつきになりまっせ

だから私はアニメが好きですし、疲れている人にはノスタルジック系のジャンルをオススメしています。

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作品と関係者概要

約3分のアニメーション。

曲とともに、眼鏡の女子中学生が、舞台と思われる瀬戸内の色々な場面にいるシーンのダイジェスト。

妹ちゃんの服装、車窓の水田、青空に浮かぶ夏雲、さまざまなものが瀬戸内の夏の訪れを知らせる。

......みたいにそれっぽく概要紹介文を書いてみた。

 

最後に制作者の方と携わった方を紹介しておきます。

 

制作者:犬丸

www.pixiv.net

曲『雲のつばさ』:うた ひと里

twitter.com

「明るい家族計画」という皮肉:妄想代理人 第8話

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アニメ「妄想代理人」の中でも、この第8話はいちばん惹かれてしまう。

というのも、登場人物3人がやっていることの「暗さ」とは対照的に、無邪気な「明るさ」が感じられて、視聴後に不思議とほっこりしてしまうのだ。

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左から「ゼブラ」「かもめ」「冬蜂」。

作品の説明を一応軽く。

精神的な悩みを抱える者や、追い詰められた者の前に現れるといわれる謎の通り魔

「少年バット*1。」

本作はこの「少年バット」に関わる人物について色々と描かれていくのだが、この第8話や第9話は本筋にあまり関係ない。

なので第8話だけ観てもそこそこ楽しめる。

第8話の内容は、「ゼブラ」「かもめ」「冬蜂」の三人が、さまざまな自殺の方法を、積極的に明朗に試みる話。

サブタイトル「明るい家族計画」という皮肉

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このサブタイトルを見た瞬間、誰しもが「コンドーム」を連想するはず。

それに因(ちな)んで付けられたちょっとした「おふざけ」なのかと思いきや、どうやら違っていた。

さすが、今敏*2氏である。

氏は自身のブログ「KON'S TONE」でこう残していた。

本来「かもめ」という子は初潮すら来ていないような少女であり、「冬蜂」は智恵はあるが生殖能力を完全に失ったような老人であり、「ゼブラ」は生殖能力 が横溢するような健全きわまりない男性に見える外見だが皮肉にも「ホモ」である、というイメージであった。

 上記の組み合わせでは子供を作ることが出来ない(別にこの組み合わせに限定されるわけではないが)。換言すれば「生めない関係」である。つまり一見、円 満で楽しそうな関係でありながら、ここからは「何も生まれない」という皮肉が込められたタイトルであった。

幼女・老人・ホモの「生めない関係」。

これを初見で推察できるのは、よほど氏の考えに造詣が深いファンでない限り厳しいんじゃなかろうか。

事実、話数担当者もサブタイトルの意味を知らなかったようだ。

それでは一般視聴者の私がそこまで深掘りできるはずもなく、そんなことも氏は察してブログで説明補完をしてくださっていた。

そんな意図を知れば、「明るい家族計画」というサブタイが生産性のない3人による仲良しストーリーを表すのに、言い得て妙な秀逸タイトルであることがわかる。

伏線が割とわかりやすい

死にたいけど死ねない、でも実は死んでいる。

という状況を視聴者に伝えるサインが、かなり明確に示されている。

今敏氏はこの「実は三人とも死んでいる」ことがオチになるのは、話の構造が単純になりすぎるから避けたがっていたようだ。

 話の構成に関する記述も氏はこちらのブログに残しているので、興味がある方は第8話の本編と照らしてみると面白いはず。

たしかに三人には、あるはず影が無いし、周りから三人が認識されている描写もないし、冬蜂の錠剤「最後の一錠」が繰り返されている。

ブログで言及されていないものを一つ挙げるならば、電車への飛び込み自殺のシーンがある。

冬蜂たち三人が電車に飛び込むためホームでスタンバイしていると、その前にスーツを着た男性が飛び込んでしまった。

ホーム上の人々は悲鳴をあげているので、体はぐちゃぐちゃなのだろう。

だが、その男はゼブラの前を「思ったより痛かったよ~」等と呟きながらどこかへ行ってしまう。

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冬蜂・ゼブラ・かもめの様子以外にも、「実は死んでいるかもしれない」という選択肢をこの男は視聴者に暗に与えてくれている。

チャットの記録も楽しめる

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第8話では、アニメーション中に所々チャットが出てくるのが面白い。

上記の3人以外にもチャットには「FOX」という人物がいるのだが、本編と少々絡んでくる。

書き込んだ人物、書き込んだ内容、書き込んだ時間。

これらは考察の対象になるので、深く楽しみたい人は整理してみると新たな気づきが得られるかも。

  • 常連だった「FOX」とは誰だろうか?
  • シーン毎に一部しか出てこないので、時系列順にするとどうなるのか?
  • 10月に書き込んでいる、5人目の「horse」とは何者なのか?

考えようとすれば、たくさん思いを巡らせられる。

 

まあ何が言いたいかというと...

  • 妄想代理人」面白いから観てみてね。
  • 第8話は単体で観ても面白いから観てね。

ということです。

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*1:正体はネタバレになってしまうし、考察すると面白いので、是非ご覧あれ。

*2:妄想代理人」の原作、兼総監督。この監督のアニメは面白いから、もし初めて知ったのならより詳しく調べてみると世界が広がるよ。氏の他作品に関する記事も書いているので是非ご覧ください。

【絵本版トイ・ストーリー】アニメ『hand in hand』感想と視聴のススメ【発掘シリーズ】

絵とオチが好みだったからご紹介。 

ニコニコ版はこちらから。

あらすじと概要

神戸芸術工科大学 メディア表現学科 まんが・アニメーション専攻 2012年度卒業制作作品。

いつもくだらない喧嘩ばかりしている白雪姫とアリス。2人の騒動に巻き込まれた他のプリンセス達は、力を合わせ止めようとするが...

キャスティング協力:神戸電子専門学校・声優タレントコース 

 今回も美術・芸術系大学の卒業制作アニメを趣味で巡っていたら出会いました。

設定としては、「絵本のヒロインたちが子どもの寝静まる夜に自我をもつ」という『トイ・ストーリー』のような人間の知らない世界の話です。

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「白雪姫」の絵本に訪れるアリス。

 登場人物の絵がかわいくて魅力的

絵本を読む女の子1名と、各絵本のプリンセスが登場します。

抵抗感なく最後まで視聴できたので、登場人物が魅力的である証拠だと思います。

自主制作アニメは万人受けするような絵のタッチでは当然なく、創作物として制作者の個性や技術、熟練度がダイレクトに反映されます。

商業アニメとは規模がそもそも異なるし、クセの強さがどうしても残るし、寧ろそのクセが自主制作アニメの特徴です。

自主制作アニメ特有のその特徴は、我々が普段目にしがちな商業アニメと比較した際のメリットにもなればデメリットにもなります。

だからこそ「クセ」という言葉を使いました。

せっかくなのでキャラを絵で紹介してみる

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↑・女の子

プリンセスたちが争っている中でよく眠っていられるなぁ。

寝癖がかわいかったのでこのカットを使用しました。

この子の持っているぬいぐるみも好き。

寝顔はもっとかわいいので動画見てみてくれ。

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↑・白雪姫・アリス

デフォルメ絵も可愛いし、"そんなに"違和感ない作画。

毎度毎度争っている二人みたいで、もはや仲良しなんだろうね。

部屋の中をシュタシュタ動き回る小っちゃい二人が愛らしい。

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4人揃っていてカッコイイところ。

↑・人魚姫・かぐや姫・シンデレラ・赤ずきん

 白雪姫とアリスの争いに辟易していたが、我慢の限界で仲裁に入った人たち。

かぐや姫赤ずきんが若干男勝りな雰囲気か。

シンデレラは召使いver.とドレスver.がある。

個人的に、動画の2:40付近で眉間にシワを寄せている左下の人魚姫が大好きです。

強いて言えば...

あえて言うと、少しセリフが棒読みのところがあるので、そこに抵抗感を持つ人はいるかもしれないです。

前述の話と重なりますが、自主制作アニメの特徴は商業アニメにはない制作者らのクセですから、 味っていえば味かなぁ。

これは仕方ない。

最後のオチと全体の構成

予想はできるものだけど、7分弱の話を効果的に纏めて締めています。

なぁなぁで尻切れトンボのような終わり方でもないし、余韻を意識しすぎて冗長すぎていることもないです。

この時点でストーリー構成が練られているのがうかがえます。

起承転結の「結」、序破急の「急」がきちんとしているので、「観てよかった」と思えました。

女の子にたくさん読んでもらえるといいね。

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アニメ:安藤愛莉『2014年8月31日日曜日午前6時45分』感想と視聴のススメ

仕事で辛いことがあったら、ノスタルジーに浸れるような画像やシネマグラフGIFを集めて見ています。

疲弊したカラダが自然と癒しを求めているのかな?自愛しなきゃ...

さて、画像やら何やらを集めていたら、こんな作品に出会いました。

タイトル「2014年8月31日日曜日午前6時45分

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あらすじと概要

制作者:安藤愛莉

武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科 2013年年度卒業

世界観・舞台設定は「タブレットに残っている、最後の新聞配達の日の記憶」。

電子化によって新聞配達が終わってしまい、その最後の日がタイトルにある日付、2014年8月31日日曜日です。

以下、制作者のコメントと作品概要。

自分の空想の空間をもとに制作した、約5分間のアニメーション。描いた一枚の絵から、その絵の外の空間、建物の構造へと想像を膨らませました。

朝、タブレット端末で読書する男の家に新聞が投函される。新聞を取ってくるまでの間に、男は奇妙な世界に迷い込む。草花が茂り虫の飛び交う空間。庭園は図書館の廊下へ繋がる。廊下を進んだ先には、カプセルに入れられた植物、古びた自動掃除機やスマートフォン。そのとき、その手にある新聞はぼろぼろのタブレット端末に姿を変える。

実はここは未来であり、男にとっての現在の景色。前半の現実味のある世界は遥か昔、2014年8月31日日曜日午前6時45分前後、過去の遺物であるタブレット端末に残された記憶だ。電子化が進み紙が消えようとしている時。最後の新聞配達の日だった。その時代では宇宙での植物栽培を試みているが、今は宇宙から草木の減った地球へ植物を送る時代。社会は宇宙に築かれている。しかし生活はデジタルからアナログに戻り、人は紙の本を読み、鉛筆で字を書く。

人々は躍起になって植物を育て、地球に還ることを夢見ている。

背景画の魅力がすごい

どうやら安藤さんは在学時からアニメーションの背景画家を志望していたようです*1

明確な目標があると、努力を向ける方向性が定まって、パフォーマンスの効果を最大限にしてくれるので素晴らしいですね。

自分の夢(というより目標)が自分のやりたいことであること、その実現のための努力や切磋琢磨の成果がこの卒業制作作品に反映されていることが読み取れる気がします。

制作過程として一枚の絵から構想を膨らませているので、当然どのシーンで静止させても一枚の「絵」としても魅力的です。

例えばこんな感じ。

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3:30付近

 

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2:57付近

 ふつくしい...

ただ「綺麗に描けている絵だな」という感想に留まらず、この絵の中の世界に行ってみたいと思わせる魅力があります。

どこか懐かしさを感じさせるノスタルジックな雰囲気と、現実離れしたファンタジー性が調和しており、私は大変堪能させていただきました。

アニメーションの世界観

では、この作品の魅力の源泉でもあるノスタルジー(郷愁)とファンタジー(幻想)はどこから生まれているのか?

それに対する答えとして、絵を描くにあたっての安藤さんの空想と世界観設定ではなかろうか

という結論に至った次第ですので、ちょっと詳しく書いてみます。

ノスタルジー(郷愁)の側面

新聞配達が終わり、電子化されるというということは、

アナログ→デジタル

の移り変わりです。

ところが、このアニメーションのアナログ→デジタルの変遷の境界線である2014年8月31日日曜日は、「記憶」でした。

実際の社会は宇宙に築かれていて、宇宙空間での植物栽培を試みています。

さらに、草木の減った地球に植物を送ることまでしてしまっている!

最後のシーンをよ~~く見ると、古くなったタブレットを置いた後、紙の本を本棚から選ぼうとしているのが分かります。

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本棚から本を物色する姿。4:25付近。

デジタル→アナログ

に再び回帰するこの世界観の設定が、アナログを懐かしむ郷愁的な雰囲気を醸成しているのではないでしょうか。

ファンタジー(幻想)の側面

 そもそもノスタルジーとファンタジーの親和性は高いです。

王道で郷愁のみを感じられる例としては、「夏の入道雲」「駄菓子屋と路地裏」がモチーフの絵ですね。

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夏の入道雲。谷田部透湖「木の葉化石の夏」より。

夏の入道雲や駄菓子屋の路地、夏祭りの風景などは、現実で見ようと思えば見られるものです。

ただそれらは、子どもの頃の記憶が想起されて郷愁を感じさせるトリガーとなっているわけですよ!

 

一方で、非現実的、幻想的でも郷愁を感じてしまう絵もあります。

あり得そうであり得ない。

そしてどこか心惹かれてしまう。

ちょっと胸が縮こまって「あぁ...」って気持ちになるような絵です。

 

安藤さんの作品はまさに、自身の空想から構想を広げたことで、「あり得そうであり得ない魅力ある世界観」が体現されています。

全体感想・参考URLなど

YouTubeの再生回数は、2019年4月7日(日)現在で4,388回再生でした。

もっと伸びても良いかなと思います。

ちょっと調べると、この作品は

INTERNATIONAL STUDENTS CREATIVE AWARD 2014に入賞していることがわかりました。

宝石の国の美術・美術監督で安藤愛莉さんのお名前がヒットしましたが、これはもしやご本人!?

 

もし本人であれば、夢の実現が着実に叶っていますね。