第一志望大学に合格した人たち、合格おめでとう。
惜しくも第一志望に縁がなかった人も、進学おめでとう。
3月の合否発表を確認してから、入学金を払い、語学のクラス分けのためのTOEICを受けさせられ、入学式の前後にオリエンテーションと健康診断があり、生協のPCを買うべきかどうかみたいな些細な悩みとともに、履修登録しつつ、サークル決めをおこなっていくことだろう。
そして前期の授業を受けてみて、
- 「授業が簡単すぎてつまらない」
- 「18歳前後の人にこんな簡単な四則演算させるの!?」
- 「be動詞から授業するってマジ!?」
みたいな感想を持つ人が毎年いる。
大学1年生の前期の授業講義の内容レベルが簡単だと感じたら、以下のようなことを考えてみたらどうだろうか。
- ①客観的に自分の(不)得意を確認する最終チャンスととらえる
- ②「こんなんで単位もらえるなんてラッキー」的思考をしてみる
- ③大学の授業に慣れてもらうための入門レベルにすぎないからだと考える
- ④リメディアル教育という側面も含んでいる授業かも
- ⑤大教室の必修の授業ほどつまらない
- ⑥高GPAを目指してみる
- ⑦ガチであなたにとって簡単すぎる

①客観的に自分の(不)得意を確認する最終チャンスととらえる
レベルが簡単すぎると感じてしまっても、早々に舐めて考えるべきではない。
あなたは入試で全科目満点だっただろうか?
大学にもよるだろうが、合格しているということは各科目6~8割の得点をしているということだろう。
裏を返すと、全体の2~4割は「失点している」「解けなかった」「理解できなかった」ということだ。
入試を「通過」しただけであって、要求された制限時間内に理解度が100%だったわけではない。
例えば英語について。
「W稲田の英語8割解けるくらいの力があるのに...なんでこんな授業でなきゃいけなんだ」と思っている人がいたとする。
⇒英字新聞などを易化編集したあたりのレベルの入試英文の正答率が8割くらいの場合、きっと中学~高校1年生のレベルの英語での文法知識の欠落があったり、これから論文などをバリバリ読んでいく&書いていくに当たって基礎的な語彙や文法事項の理解欠損が(意外と盲点的に)存在している可能性が高かったりする。
⇒例えば連鎖関係代名詞や独立分詞構文をちゃんと理解できていると自己認識していても、実は仮定法の本質を無意識的に理解していないせいで、案外容易に誤解してしまう程度の読解力かもしれない。
⇒全体の知っている語彙を拾い上げ、背景知識や教養でストーリーのオチを予想できているだけで、実は凡なミスで失点するほどの文法力かもしれない。
⇒そこそこ難しい語彙は知っていても、英語で文章を書く際にtake/have/putあたりの幅広く使用する基礎的な動詞の運用方法が曖昧なままかもしれない。
人によって弱点は異なるが、思いもよらない弱点を埋められる最後のチャンスとして、基礎事項からもう一度カリキュラムをさらってみようと思うといいのではないか。
②「こんなんで単位もらえるなんてラッキー」的思考をしてみる
あなたにとって余裕なのであれば、むしろいいことじゃないか。
課題をサラサラと終わらせ、授業の合間ではいっそのこと内職して時間を有意義に使ってしまえばいい。
ノー勉で単位を獲得できるなら、ササッと単位をとって、別の授業の対策や自分の将来に勤しめばいい。
遊ぶ計画を立てたり、卒論について思いを馳せてみたり、資格試験の勉強に勤しんだりできる。
高頻度の実験レポートに追われてヒィヒィ言っている人より贅沢な悩みだ。
「これをやるだけで単位もらえるんですか!?あざっす!」と思いながら過そう。
「簡単じゃん」「余裕じゃん」と宣っておきながら、机に伏して寝たり、ノー勉で単位を落とす方がダサい。
簡単な敵ならササッとありがたく倒してしまえばいい。
③大学の授業に慣れてもらうための入門レベルにすぎないからだと考える
大学1年生の前期なんて、教養科目の中でもとっつきやすい内容が多いはず。
いきなり専門科目のマニアックかつハードなものを扱われる方が超絶苦しいでしょ。
まずは大学という環境に慣れるための、オリエンテーションなのだと考えよう。
慣れない土地での新生活や、名前を覚えるところから始める新たなサークルでの交友関係、新たに始めるアルバイト...
けっこうストレス負担がかかることって多いのよ。
あえて大学側も配慮しているんじゃないか...って考えてみるのはいかがだろう。
逆に、環境が変わらず実家から通い、バイトもサークルもせず、特に新しい活動をしていないような人は、日常にかかるストレスが低いから余裕がありすぎるのかもしれない。
講義授業がちょうどいいと感じるくらいに、大学1回(年)生ならではの他の取り組みにリソースを割くべきだ。
授業が簡単と感じたら、やりたいことに注力できるチャンスかもしれない!
④リメディアル教育という側面も含んでいる授業かも
1限のまえに早朝から0限を開催している大学もあるようだ。
リメディアル(remedial)教育とは、通常学習についていく能力が不足している生徒に補習的に実施する学習のこと。
例えば、英語は苦手だけど数学の著しい能力で入学した生徒は、数学はどんな講義でも楽勝に感じるかもしれないが英語はダメダメ、という場合もある。
一芸に秀でた人は推薦入学者に多いので、そんな人たちでも0からついていけるように設計された授業かもしれない。
だいたいそういう授業は、5月GW明けくらいまでは楽勝なのだが、6月あたりからちゃんと難しくなっていくので、油断して休みながら舐めていると結構おいていかれてしまうので注意しよう。
⑤大教室の必修の授業ほどつまらない
だいたい大教室の授業はガヤガヤうるさい。
モチベーションが高い人、常識人もい当然いる。
しかし、大学という全国から大人数が集結する場所という性質上、やる気がなさそうに必修だから仕方なく居る人や、高校生感が抜けていないチャラついて変に群れている集団、逆に友人がいなさそうな暗そうな見た目で自分と荷物で無駄に2席占領する非常識人などもいる。
講師や教授も1人1人に訴求アプローチせず、どうしても全体に投げかけるカタチで講義が進行してしまうから、誰もが当事者意識を持ちにくい環境なのだ。
大学の魅力は大教室の講義ではなく、ゼミや研究室にある。
ゼミや研究室に所属してみると、同じような関心や志を持った人と専門分野を探求できる大学という環境の素晴らしさにきっと気づける。
また、大教室では目障りで邪魔で鬱陶しくてウザかったチャラチャラ人や孤立人のことが、少数しかいない環境だと彼ら彼女らなりに目的を持っていて優れた能力もあることに気付けるだろう。
1年前期の大教室の必修講義だけで、簡単でつまらないという判断を下してほしくない。
⑥高GPAを目指してみる
簡単に感じるなら、高GPAを目指してみるといい。
就職活動、ゼミ試験、大学院入試、給付型奨学金...いろいろ使える場面は多い。
あまり就職活動で使わないしあえて高成績を狙いにいくのはコスパが悪い!と判断する人もいるが、苦労を感じずに優秀な成績を取得できる能力があるあら、その人にとってのコスパはトントンか少し良い程度だろう。
怠惰じゃないです~最低限の帳尻を合わせる能力あります~、という証明にもなる。
主席卒業を狙ってみるのも面白いんじゃないかい?
⑦ガチであなたにとって簡単すぎる
どれだけ正当化してみても、本当にあなたにとって簡単すぎるだけの場合もある。
「これって意味あるの??」というような授業講義も正直存在する。
もうそれは相性が合わなかったと思って早急に忘れよう。
所詮大学1回(年)生のカリキュラムなんてそんなもんだ。
いろいろ書いたが、入学したばかりの段階で「大学の授業=簡単」と単純化せずに、いろいろな可能性があることを知っていて欲しい。
同じ授業講義でも、回によって難易度がばらける場合もあるし。
これを読んでいるのが大学生とは限らないが、もし初々しい大学生が読んでくれているのならば、あなたの有意義な大学生活を祈る。