「世界は誰かの仕事で出来ている。」という話
山田孝之さんが出演している「ジョージア」という缶コーヒーのCMは有名だ。
その中でも「つながっている」編のCMは構成が簡潔に練られていて、私のお気に入り。
きっと誰もが一度は目にしたことがあるはず。
「世界は誰かの仕事で出来ている。」というキャッチフレーズは、大人になればなるほど沁みてくる秀逸なコピーだ。
当然私たちの多くは、この資本主義社会を生きていくにあたって「労働者」であり、
また同時に製品やサービスの恩恵に与(あずか)る「消費者」でもある。
「労働者」であり「消費者」である個々人の集合によってこの世界は出来ている。
そんな、当たり前だけど気付きにくい日常を、アニメ作品という分かりやすい形で表現する人は多い。
今回は、その中でもセンスが光る日本とアルゼンチンの作品をこのブログの【発掘シリーズ】でピックアップしてみた。
作品1:「KUROKO」(日本)
作品の概要
金沢美術工芸大学 視覚デザイン専攻卒業制作作品。 生活を支える人々を黒子として表現したアニメーション作品。
「誰もが、誰かに支えられていて、また誰かを支える存在である」
2012.11.19 第14回 TBS DigiCon6Awardsにおいてブロンズ、 また同アワードの日本大会であるJAPAN Regional Awardsにおいて最優秀賞を受賞しました。
鈴木春香(SUE)さんによる卒業制作の作品である。
この作品に私が出会ったキッカケは、美大生や専門学校生・芸大生の卒業/修了制作を探し求めてインターネットをサーフィン徘徊していたとき。
YouTubeでは既にかなりの再生数で、もしかしたしたら既にご存じの方・見覚えのある方もいるかもしれない。
なんやかんやハッピーエンドで、最後の終わり方も良い。
見た後にほんの少しモチベーションが上がる。
作品2:「EL EMPLEO」(アルゼンチン)
作品の概要
缶コーヒーのCMにもなるくらいだから、「労働によって人々の生活は支えられているんだよ」というメッセージは当然色々な作品のテーマとなる。
この作品のタイトル「EL EMPLEO」は「THE EMPLOYMENT」つまり「雇用」という意味。
アルゼンチンのイラストレーター、Santiago Grasso氏による皮肉めいた描写のアート系アニメ作品で、鈴木春香さんの「KUROKO」とは対照的に暗い印象だ。
仕事とは決して楽しいだけでなく、特に不況下では必ずしも自分がしたい職に就けるわけではない。
生活のためだけに働くことは楽しいことではないのだ...
こっちは、視聴後に「働く意味」について考えさせられる作品。
***
ん~なるほど。
同じようなテーマでも、作者や作品ごとのメッセージ性によって雰囲気が結構変わるんだね。
どちらも5分前後のアニメーション作品なので、是非とも気軽な気持ちで観て欲しい。
参考URL