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【陰影の描写に注目】「なまずは海に還る」:感想と視聴のススメ【発掘シリーズ】

実は「岩瀬夏緒里」という名前は、YouTube(やニコニコ動画で)自主制作アニメ巡りをしていると何回か目にしていた。

比較的新しい作品が彼女のYouTubeにアップされていたので、このブログの【発掘シリーズ】でも取り上げさて頂く。

作品の時間は9分28秒

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タイトル

概要

www.youtube.com

 なまずは海に帰ることが出来ない。川岸に取り残された大きななまずは、故郷の思い出が詰まった舟の中で小さななまずと共にひっそりと生きていた。

 2014年度の東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻の修了作品です。

 監督:岩瀬 夏緒里 音楽:窪田 薫 効果音:佐藤 咲月 プロデューサー:岡本 美津子

 え?なんで2014年度の修了作品が2018年に投稿されているかだって?

だってさ♪

作者の簡単な紹介*1

1988年 茨城県生まれ
2012年 東京藝術大学美術学部デザイン科 卒業
同大学院映像研究科アニメーション専攻 入学
2014年 卒業

↓受賞歴など↓

『婆ちゃの金魚』(2012〜2013年)
東京藝術大学 大学買い上げ作品
第24回CGアニメコンテスト 映像賞
第14回TBS DigiCon6 BS-TBS
2013東京アニメアワード 入選
第9回TSS Short Movie Festival 準グランプリ受賞
第7回小田原映画祭ショートフィルムコンテスト 審査員特別賞
第9回吉祥寺アニメーション映画祭 優秀賞
ASIAGRAPH 2013年度 CGアートギャラリー公募展示部門
第2部門 優秀賞
第3部門 最優秀賞

『ひとつのカケラ-A Piece Of Green-』(2013年)
第15回TBS DigiCon6 BS-TBS

一番上にある『婆ちゃの金魚』も岩瀬さんのyouTubeに上がっていて、水の描写などが美しくて好き。

ご本人のツイッターも貼っておく。

twitter.com

この作品の魅力

陰影の描写など

冒頭、いきなり繊細な土手・橋・川の風景が来る。

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この時点で、観る側は結構期待してしまうぐらいに上手いし美しい。

谷田部透湖氏のときにも書いたが、一目で魅力的な作品の画は、このように静止画像として切り出して一枚の絵として鑑賞しても飽きない。

***

一番私が魅力を感じたのは「影」。

本編から「影」の一部を切り取ってみた。

意図的に用いられているこの「黒」はちょっとした寂寥感を醸しているというか、スパイスになっているというか、素人の私がこの作品にグッと惹かれた理由。

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「じいさま」が海に戻る夢を見て駆けつけた少年。(じいさま視点)

7分17秒からの躍動感

「じいさま」から貰ったカメラでなまずの姿を捉えると、その小さいなまずが海に還っていくであろう道をたどる。

この後半の景色の移り変わりも、このアニメーションの魅力だ。

なまずが海まで出るところで再びシーンが少年に戻り、少年が言う。

「海の音がするー」

ここで終わるのが良いよね~

 

海にもう戻れないと悟った「じいさま」が、小さいなまずを少年に渡そうとする。

それはじいさまとはもう会えないことを意味する。

中盤の切なさから、終盤の新たな門出へのこの演出は、この作品の見どころの一つだと思う。

なまずかわいい

かわいい。

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かわいい。

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で、なまずに限らずこの帽子の少年などのキャラクターや動きも作品を魅力的にしている。

さいごに

絵もシナリオも音楽も、全てマッチしていて好き。

だから紹介したいと思ってこの記事を書いた。 

***

だいたいここまで「自主制作アニメ」巡りをしていると、ある程度の傾向があることに気付く。

美術・芸術系の専門学校・大学・大学院の学生が卒業制作としてアップしているものがほとんど。

(その分"例外"に当たる作品は余計に興味深いものが多いかも!?)

個人的に最近は藝大、武蔵美多摩美あたりの優秀作品を鑑賞巡りしている。

卒業のため、精一杯の魂が込められているであろう作品たちだから、今回の岩瀬さんの作品に限らずどれも面白い。

引き続き、そんな作品たちと出逢えるような場をこのブログでささやかながら続けていく所存なり。