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就職活動に疲れた人へ:せめてメンタルは壊さないために

目次

 就職活動(就活)に苦しんでいませんか。私は苦しんでいましたよ。

もう二度としたくないなぁと思っているので、この心を忘れないためにこのブログに書きます。

具体的な就活に関する行動や反省、アドバイスの類というよりかは、就活中に精神的に少々病んでしまった私の経験、およびマイナスな思考から脱却した私の思い出等について綴ってみます。

 なぜ就活で疲弊するのかー没個性と個性の矛盾ー

 卒業論文に着手しつつ、就職活動を開始してまず感じたのは「抵抗感」でした。卒業後の進路を自分で開拓する重要なイベントであるはずなのに、就活への積極的な気持ちがどうにもないのです。なぜなら単純に、やりたいことよりやりたくないことが多いから。エントリーシートの作成や自己PRを推敲する時間はとても苦しかったです。日本において特徴的な新卒一括採用の就活*1が有している、異様な「均質性」も抵抗感の原因となりました。「均質性」は、「均一性」や「画一性」と換言してもよいかもしれません。説明会に参加してみると皆一様に黒や紺のリクルートスーツで、髪型・髪色もほぼ同じ。企業という集団に所属するにあたって、「個性」が否定されているような危機感を抱いた記憶があります。なんでリ〇ルートはこんな世界を作りやがったんだ!...これについては、多くの人が批判や皮肉を述べていることから、日本における就活の「均質性」に異様な抵抗感をおぼえる私に首肯していただける人もいるでしょう。服装や振る舞いという点では学校の制服や校則なんかも画一的ですが、就活でそれを強く感じた理由を深掘りして考えることは興味深いです。

 就活にはマナーや常識という「均質性」が求められる一方で、「個性」も同時に要求されるように思えます。この「個性」とは所謂、“光り輝くもの”“他より突出していているもの”“他と差別化をしている特徴”などということばでも表すことができるニュアンスとして書きました。この「均質性」と「個性」という一見矛盾している両者の両立に、ストレスを感じざるを得ませんでした。虚構のような画一的ルールに則って、就活用の虚飾の個性をアピールすることに疲れてしまうのです。私のこの就活疲れと抵抗感はゼミの恩師に斟酌され、お食事の席でお話を聞いていただいたことは今でも覚えています。

病んでいく自分

 そんな「抵抗感」を堂々巡りさせていると、鬱々とした精神状態に陥ってしまいます。

就活が面倒くさい

逃げてしまいたい

では起業してみようか

フリーでやっていこうか

大学院に進学か

学部に留年してしまおうか

いや私にはそんな勇気はない、敷かれたレールを走り抜くことも、逸脱する勇気もない私はダメ人間だ…、という具合に。そんなネガティブな感情を携えてインターネットの就活進学系掲示板やまとめサイト、ブログを徘徊していると、見事に病んでいく自分を感じられます。進路系の検索上位の記事なんかは、大方私は閲覧したと思っています。

 人と人で社会はつくられている事実

 今までの私は自己中心的な目線だしか知らなかったのかもしれません。自分の人生で常に「主人公」だったにも関わらず、就職活動によって自分が誰かにとっての「通行人A」「エキストラのひとり」であることに気付かされました。人類が構成している社会・世の中は、矮小な各個人の集合であることを知識として知っていても、実感はしていなかったかもしれません。自分という存在が、世の中の大多数に埋没して社会の一員に組み込まれることに恐れていたのでしょう。「君たちはどう生きるか吉野源三郎)」から表現をお借りすると、私という地球は、天動説から地動説へと視点を増やすことを容易に受け入れられなかったのです。サラリーマンを社会の歯車として見做し、所謂“個性あふれる”特殊なお仕事をしても、みなお金を得て納税し、自分の属する国を構成する人類の一員であることからは不可避でした(少なくとも私の置かれていた当時の現状では)。

「都会の綺麗で華やかな街にある、カッコイイ高層ビルに勤めている自分像」とは広告的はイケテル就活イメージで、実際はそのビルの〇〇階のテナントにある、とある机とパソコンと向かい合って働くのが「自分」なのだよ。

 マイナス思考からの脱却

 今まさに就活の最中で、前途が暗澹としているかのように考えを拗らせてしまう傾向がある人は、感情を放置しつつ、なにかしら行動をとってみることをオススメします。私の場合、就活に対して「嫌だ、面倒くさい、避けたい」という抵抗感は、ただの感情としてそのまま心の中で感じつつ、その感情へ対処しようととにかく本を読んでみました。就活や面接の対策本は、冷やかし程度の流し読みで全く差し支えないですが、就活を題材とした小説や就活と一切関係ない哲学書ルポルタージュ、詩集、漫画、伝記などをひたすら読むと、いやでも何かを感じてしまいます。気晴らしに卒業論文を書いたり、友人らと話したりする時間も確保することを試みました。そこにはマイナスの精神状況を脱するヒントが潜んでいることが多々あります。本を読む以外の行動でも、何もせずに考えを巡らせているよりは事態の進展がもたらされるわけですから、就活に直接関係ないことでも、些細なことでも行動しながら考えてみるのは良いことだと私は思っています。

 嗚呼、二度と就職活動したくないなぁ。

*1:冷静にみてみるとこれには利点となる部分もあるのですが、私の場合は「抵抗感」が勝ったようです。