随筆風の回顧録。暇な浪人生あたりに読んで欲しいかな。
高校生時代の私:大学受験の「英語」ってムズくね...
高校1~2年生だった頃、受験科目としての「英語」というものに大変苦しめられた。
これまで聞いたことがない文法の概念が突如として説明される。
長文では意味のわからない単語が過半数を占めている。
ピリオドまでがやたら長い一文が存在している。
そもそも問題の分量が違う。
センター試験当日に学校のイベントとして実施される「センター同日模試」なるものに高校1年生ではじめて参加したところ、英語の得点は半分を超えなかった(他の科目もお察しの通りの結果だった)。
優秀で美人なクラスメイトに嫉妬
高校の同級生で私と同じ予備校にも通っていた女子生徒がいた。
その人を仮にAさんとする。Aさんは聡明で人あたりもよく容貌も美人な方であり、特に英語に秀でていた。
「可愛いなぁ」って普通の男子は思うんだろ?
私は当時ひねくれた根暗野郎だったから、彼女を見るとキラキラ輝いていて嫉妬に狂いそうだった。
天は二物以上を与えているじゃないか!
うそつき!
***
Aさんと席が隣だったことがある。
小テストの採点を隣同士交換しておこなうことになった際には、当然私よりも多くのマルを獲得する。
模試の結果の貼り出しの際には、上位成績者として名前が記載されていることが当然である。
尋ねてみたら、どうやらAさんの周りの環境もAさん自身も、外国語を学ぶことに興味をもって注力しているからのようであった。
私「Aさん今回もすごいね(畜生ムカつくぜ)」
A「大したことないよ~(美人スマイル)」
私「(おめぇが卑下するとコッチの立場も無くなるんじゃ)どんな勉強してるの?」
A「家庭教師に毎回教えてもらってるし、それでも納得できなかったらパパに訊いてる~」
家庭教師は外国人らしいし、パパは世界を股にかけるお仕事ですって!
環境が違いすぎるんじゃ。
***
私はそんな才色兼備な存在が心底うらやましかったし、羨望も嫉妬もあった。
学校でも予備校でもすれ違うことはあったが、あまり話し込むようなことはなかった。
なぜなら、私がAさんと話すとなると自分という人間の矮小さを感じざるを得ないし、Aさんは私のような存在を歯牙にもかけないからだ*1。
Aさんの姿を見るたびに、神様は不公平だなぁと思っていた。
私は特に目立つような存在ではなかったし、どちらかというと陰の気を纏っていた高校生だったのだ。
Aさんを倒そう!そして倒せた。
Aさんにせめて1回でも受験「英語」で勝とうと、猛ベンキョウをすることとなる。
「あんな恵まれた奴を私が倒さなければ、世の中不公平だ!」
という謎の使命感の下、自習室に籠もっては英語が出来ない自分にイライラしながら頑張った。
が、そのうちベンキョウが出来てくると、英語というものの面白さに気付いてきてしまい、最終的には打倒Aさんのための「英語」のベンキョウが、自分の楽しみな科目の勉強となった。
Aさんへの憧憬と嫉妬がなければ私はずっと「英語」に苦しみ続けていただろう。
受験においてライバルの存在は大きいということを実感した。
ちなみに、何回かAさんに勝つことも果たせた。
模試の優秀者として一緒に名前が載る(もちろん私が上)ときもあったし、Aさんが私に質問しに来たときはお〇っこ漏らしそうなくらい嬉しかった。
はじめは嫉妬と憧れで「打倒Aさん」を掲げていたが、出来るようになってくるとそんなネガティブな気持ちはいつの間にか消えていた。
不思議だね。
最後に
後にわかったが、Aさんと私は偶然ながら同じ大学に入学していた(学部・専攻はもちろん異なる)。同じ大学だという事実をお互いに立ち話で確認して以来、Aさんとは疎遠である。
*1:という当時の私の被害妄想。実は結構こんな私にも話しかけてくれていた